第96回高校サッカー選手権準決勝戦評

高校サッカー選手権準決勝
前橋育英高6ー1上田西高

筆者もこの試合を観戦していたのだが、スコアにも表れているように前橋育英高の圧勝といえるだろう。

今大会で様々な試合を見させてもらっているが、多くのチームが高校サッカーによく見られるような前線へのロングボールからの得点を狙う中、大人のサッカーを見ているような感じをさせられたのだ。

その圧倒的な強さを支える要因を考えてみると、飯島陸、宮崎鴻を始めオフェンス陣ももちろん素晴らしいのだが、やはり前橋育英のディフェンスラインの完成度は今大会で群を抜いているところにあると思われる。

昨年度の選手権から同じメンバーでディフェンスラインを構成している事もあり、センターバックの2人(角田涼太郎、松田陸)を中心に1対1の場面から組織で守る場面までどの試合も非常に安定した守りを見せている。

印象的なのは前線へのロングボールの対応だろう。
前提として選手個々のボールコントロールスキルは高いレベルで必要になってくるのだが、昨日の試合でも上田西高のエリアから自陣ディフェンスラインの裏へ放り込まれたボールに対して、ロングスローによるリスタートを避けるためにも、容易にタッチラインを割るようなクリアをせず、放り込まれたボールからゴールキーパーを含めての落ち着いたビルドアップ能力が素晴らしい出来であった。

またボールを落ち着かせてからの最終ラインから前線の飯島陸、宮崎へのロングフィードも非常に正確でかつ、パススピードも非常に速かったため、上田西高校ディフェンスラインは一瞬でも気を抜けば一発のロングパスで決定的なシーンを作られてしまうという、中盤の選手含めてプレッシャーのかけどころが難しい、非常に守りにくい試合展開だったのではないだろうかと思われる。

ただここまで上田西校も初出場ながらに良く戦ってきてと言えるだろう。いわゆる高校サッカー選手権らしい走るサッカーでここまで勝ち上がってきた感はあるが、準決勝では連戦の疲れからか若干足が止まっていたのが残念だ。

初出場で長野県勢ベスト4という偉大な記録は語り継がれる事になるだろうし、後輩たちにも良い影響を及ぼす事には間違い無いと思われる。

高校生レベルでは間違い無くトップクラスの内容のサッカーで勝ち上がってきた前橋育英高校とこちらも前評判通りの戦いで勝ち上がってきた流通経済大柏高の決勝戦は今から非常に楽しみである。

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